築120年古民家リフォーム⑪
北側屋根と西壁の解体

上屋根南側の軒周りを残して、北側の朽ちてしまっている屋根を解体していきます。

南面と同様に母屋の高さを出した後、新たに角材で墨付け〜刻み加工をしていきます。

北側の屋根は、南側の屋根に比べて2mほど長くなっています。
ですので、南側の屋根は北側の屋根に比べて短くなってる訳です。
一般住宅においては、ヘの字になっている片流れ屋根や、最近流行りの
一枚の屋根が一方向に傾斜している片流れ屋根が一般的なのですが
K様邸の屋根の作りは、とても珍しものではないかと思います。
明治時代の頃、K様邸の屋根裏では養蚕をされていたとのことですので
南側の屋根を短くすることは、採光・通風をよくする為に考えられた
工夫であったのかもしれません。

西側の漆喰泥壁を取り除きます。
泥壁の内部は竹で結わえてありますので、解体だけでも1日掛かってしまいます。
昔の建物は、解体していても何故か味わい深いものがありますね。
100年以上前の日本に生きた職人の息遣いが聞こえてくるようです。